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抗議文によると、条例では「安保法」「原発」など個別の政策や施策に対する賛成・反対を訴えたり提言する活動は市民活動から除かれていないことを指摘。
登録団体や指定管理者のNPO法人に対して改善の指摘や聞き取りはなく、条例を通すため市議会に提出された資料や主張に事実誤認があるとして、条例改正は不当だとしている。
8団体の連絡役を務めた長内経男さん(九条の会・さいたま)は「私たちの活動は条例や法律にかなっている。議会でも情報共有はされておらず、一方的で手続き上も納得できない。今後も利用者として声を出していきたい」と話している。
抗議文を提出した団体は以下の通り。
原発埼玉県民投票準備会▽九条の会・さいたま▽さいたま地区平和運動センター▽平和と民主改革の未来を開く埼玉の会▽婦人民主クラブ埼玉支部▽「原発」国民投票埼玉県賛同人会▽民主主義を求め続けるプロジェクト▽日朝友好連帯埼玉県民会議
公共施設の運営を民間に任せる指定管理者制度は経費節減などのため、二〇〇三年の地方自治法改正で始まった。今回の条例改正は、「管理の基準その他の必要な事項」を定めるまでの間は指定管理者による運営はできない、との内容。
改正案を出した自民党の青羽健仁市議は「政治活動を規制する気はないが、公共施設を優先的に利用する場合は一定の公平性があるべきだ」と主張。一 方、反対した民主系会派の土井裕之市議は「市が基準を作っていくつかの団体に施設を利用させない意図があるのではないか。憲法二一条などで保障された自由 な活動の制限につながりかねない」と話した。
センターは公益目的で非営利なら誰でも使えるが、利用登録した団体は、会議用の座席の事前予約などが優先利用できる。現在は約千七百団体が登録し ているが、青羽氏は十四団体が「政治活動を行っている」と名指しした。このうち「九条の会・さいたま」の斉藤修治事務局長(78)は「市直営になれば、予 約の妨害など、活動しにくくなる恐れがある。改正前にわれわれの意見も聞かず、一方的で憤りを感じる」と話した。
上脇博之(ひろし)・神戸学院大教授(憲法学)は「政治的色彩があれば施設の使用がだめだと言えば、憲法違反になる。公共施設は、よほどのことがない限り使うことは原則自由だ」と指摘している。
◇さいたま「市民活動センター」
さいたま市で市民団体が利用する「市民活動サポートセンター」(同市浦和区)の運営をめぐり、指定管理者制度をやめて市の直営にする条例改正案が15日、市議会の委員会で可決された。提案した自民党市議が「一部団体の優先利用」を問題視したためだが、市や指定管理者のNPO法人(特定非営利活動法人)からは「優先利用の事実はない」と戸惑いの声が上がる。
◇「一部団体の利用優先」 自民市議問題視
「今の管理基準は公平性や公共性にかなっているのか疑問だ」。15日の市議会本会議で、改正案を提案した自民党市議団の青羽健仁市議は、同センターを政治的な活動をする団体が優先的に利用していると指摘。来年4月から指定管理者制度をやめて管理基準を見直すよう訴えた。改正案は市民生活委員会で自民、公明の賛成多数で可決された。
市などによると、同センターは2007年、JR浦和駅東口の浦和パルコが入るビルに開設。市は指定管理者を数年ごとに募り、過去2回はNPO法人「さいたまNPOセンター」に決まり、運営を担ってきた。
打ち合わせスペースの予約などができる団体として、約1700が登録。中には憲法9条や原発、拉致問題などを扱う団体も含まれ、青羽市議は「政治活動は自由だが、公共施設なのに政治的な団体の利用が多く、他の市民に『使いづらい』と不満がある」と主張した。
◇市やNPO 困惑の声
16日の本会議で改正案は成立する見通し。ただ、来年度からの指定管理者の選考を進めている最中だけに、市やNPO法人などは「なぜ今、指定管理者制度を やめるのか」と困惑気味だ。さいたまNPOセンターの村田恵子専務理事は「登録団体は公平に扱っており、限られた団体が優先利用できる場所はない」と話 す。施設での政治活動については、「NPO法や条例で施策や政策に関わる政治活動は認められている。今回、挙げられた団体が選挙運動など禁じられた政治活動をしたとは認識していない」と話す。
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