◇さいたま「市民活動センター」
さいたま市で市民団体が利用する「市民活動サポートセンター」(同市浦和区)の運営をめぐり、指定管理者制度をやめて市の直営にする条例改正案が15日、市議会の委員会で可決された。提案した自民党市議が「一部団体の優先利用」を問題視したためだが、市や指定管理者のNPO法人(特定非営利活動法人)からは「優先利用の事実はない」と戸惑いの声が上がる。
◇「一部団体の利用優先」 自民市議問題視
「今の管理基準は公平性や公共性にかなっているのか疑問だ」。15日の市議会本会議で、改正案を提案した自民党市議団の青羽健仁市議は、同センターを政治的な活動をする団体が優先的に利用していると指摘。来年4月から指定管理者制度をやめて管理基準を見直すよう訴えた。改正案は市民生活委員会で自民、公明の賛成多数で可決された。
市などによると、同センターは2007年、JR浦和駅東口の浦和パルコが入るビルに開設。市は指定管理者を数年ごとに募り、過去2回はNPO法人「さいたまNPOセンター」に決まり、運営を担ってきた。
打ち合わせスペースの予約などができる団体として、約1700が登録。中には憲法9条や原発、拉致問題などを扱う団体も含まれ、青羽市議は「政治活動は自由だが、公共施設なのに政治的な団体の利用が多く、他の市民に『使いづらい』と不満がある」と主張した。
◇市やNPO 困惑の声
16日の本会議で改正案は成立する見通し。ただ、来年度からの指定管理者の選考を進めている最中だけに、市やNPO法人などは「なぜ今、指定管理者制度を やめるのか」と困惑気味だ。さいたまNPOセンターの村田恵子専務理事は「登録団体は公平に扱っており、限られた団体が優先利用できる場所はない」と話 す。施設での政治活動については、「NPO法や条例で施策や政策に関わる政治活動は認められている。今回、挙げられた団体が選挙運動など禁じられた政治活動をしたとは認識していない」と話す。
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