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さいたま市議会 分裂の自民2会派 接近 (2018年10月17日 読売新聞)

さいたま市議会
分裂の自民2会派 接近
最大会派は警戒、市側も注視
 さいたま市議会で、昨年3月に分裂した「自民党市議団」と「自民党真政」の2会派が、徐々に距離を縮めている。第2会派に転落した市議団側が、将来的な会派の統合も視野に入れて真政に接近しているためだ。分裂によって最大会派にのし上がった「立憲・国民・無所属の会」はこうした動きを警戒。分裂前、市議団から議案などについて激しく追及されてきた市側も状況を注視している。

 「今定例会は自民同士の争いがほとんどない」。開会中の市議会9月定例会について、議会関係者はそう打ち明ける。
 今年の6月定例会までは、市議団が議会運営委員会で新藤信夫議長(真政)に苦言を呈したり、本会議で厳しくヤジを飛ばしたりして、本会議終了が午後10時近くなることもあった。しかし、8月定例会の会期末に、対立が急に収束したという。
 市議団は昨年3月上旬までは23人を擁する最大会派だったが、議長ポストなどを巡って会派内で「浦和」対「大宮」の対立が激化。旧大宮市選出議員を中心とする8人が離脱し、真政を結成した。真政は、16人の「民進改革」 (現立憲・国民・無所属の会)と手を組み、議長ポストを奪取した。
 ところが、今年の6月定例会で、今度はこの2会派間で議長争いが発生。立憲・国民・無所属の会が議長交代を求めたが、真政は続投を主張し、これを好機とみた市議団が「自民党が立憲側に譲るのはあり得ない」と真政を支持して議長続投の流れを作った。真政幹部は「市議団に恩ができた」と振り返る。
 こうした動きは市議団が議会の主導権を奪還するためとみられる。一方で、2会派の再接近に、立憲・国民・無所属の会は警戒感をあらわにしている。しかし、真政との協力関係を解消すれば市議会で主導権を握れなくなるため、強くは批判できないとの事情も抱える。
 市側も状況を注視している。市議団は分裂まで、市長肝いりの大型イベントなどを議会で強く批判したり、議案を修正させたりと強硬姿勢だったため、市幹部は「また元通りになってしまうのでは」と話す。
 ただ、自民党会派分裂の根底にある「地域間対立」が解消に至ったわけではないのが実情だ。開会中の9月定例会では、市本庁舎の浦和からさいたま新都心への移転検討についての調査費などを盛り込んだ一般会計補正予算案が審議されているが、本庁舎を浦和にとどめたい旧浦和市選出議員中心の市議団と、移転を歓迎する真政とで賛否が分かれている。
 来春に予定されているさいたま市議選まで残り半年。市議会の勢力図を左右する両会派の動向に、今後も思惑が入り乱れそうだ。
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順天堂要望 県の想定超える (2018年5月17日 朝日新聞デジタル)

順天堂要望 県の想定超える

◇着工遅れる付属病院

 埼玉高速鉄道の浦和美園駅から歩くこと約10分。柵に囲まれた広い草むらに「順天堂大学附属病院等整備予定地」の看板が立つ。

 医師不足の解消をめざす県が3年前に誘致を決め、ベッド数は800と県内最大級。大学院や看護学部も併設し、3月に着工、2020年度に開業するはずだった。ところが土地の取得に手間取り、予定より建物が大きくなり環境アセスメントをする必要も出てスケジュールが狂った。いつ、どんな病院ができるのか、いまだに具体像は見えてこない。

 人口減少や医療費の伸びを抑える国の方針などで病院の経営が厳しさを増すなか、病院誘致は、用地の無償貸与や建設費の補助など破格の条件を示すことでようやく実現した。ただ、順天堂側からの要望は県の想定を超えていた。

 「緑に囲まれた癒やしの空間にしたい」。順天堂側は新病院のイメージをこう説明し、予定地の目の前に車の販売店があることに難色を示したこともあったという。周辺は区画整理が行われ再開発が進むエリアで、街路樹などもあまり整備されていない。「どこか殺風景な街並みを、洗練された『文教都市』にしたいようだ」(県幹部)。

 近くの埼玉スタジアムでサッカーの試合がある日は周辺道路が渋滞する。「車を運転してやってくる急患が間に合わないのでは」と改善を望んでいるほか、スタジアムの周りに新駅をつくることや、病院の入り口の前にバスが着くようにすることも要望しているという。

 学校法人順天堂の担当者は「私利私欲でわがまま言っているわけじゃない。せっかく作るのだから患者さんにとって使い勝手のいい病院にしたいだけです」。

 上田清司知事は開業時期を「23年がひとつのめど。1年早いか1年遅れるか」と説明する。


【順天堂側の主な要望】

・快適で清潔な街づくり

・病院用地の無償貸与

・建物の建設費、機器・備品の整備に必要な費用の半額補助

・救急など政策医療についての経常費助成

・病院開設までに、埼玉スタジアムの周辺に新駅をつくる

・建設予定地の中にある道路を廃道にする

・敷地の間を流れる川の上に上空通路を設置

検証 政務活動費 下(2017年9月24日 読売新聞)

検証
政務活動費 下

情報公開で不信感払拭

 有権者の理解肝心

 県内で支給されている政務活動費は、県議会の月額50万円から、一部町村議会の「ゼロ」まで様々だ。
 「政活費自体、廃止してしまえばいい」
 自民党県議団に所属していた沢田力氏の政活費不正受給問題を発端とした8月の県議補選で、候補者の一人はこう訴えた。ただ、こうした主張に対し、反対の声を上げる議員もいる。
 横瀬町議会は、政活費を支給していない。新井鼓次郎町議は、不動産賃貸業を営みながら議員活動をしているが、「議員報酬からは保険や年金が引かれ、活動にかかる費用もそこから出す。専業ではとても議員はできない」と話す。
 山間部にある同町では、地域イベントに顔を出す際の移動手段は全て車。議員としての勉強も、「本は図書館で借りて読み、情報収集はインターネットが中心」といい、「政活費はほしい。別に不正がしたいから言うわけではない」と嘆息する。
 全国市議会議長会の実態調査によると、2015年12月末時点で、全国で政務活動費を支給していない市は12・1%。人口20万人以上の自治体は、全てが政活費を支給していた。また、県町村議会議長会によると、県内23町村でも政活費を支給していないのは昨年7月時点で10町1村となっている。
 政活費を引き上げた議会もある。八潮市議会は昨年3月定例会で、1人あたりの年額を10万円から20万円に増やす条例案を賛成多数で可決した。つくばエクスプレス開通などで市内人口が増加しており、多様化する市民の要望に応えるため議員の資質向上を図る─というのが理由だ。
 採決で反対に回った矢沢江美子市議は、「引き上げ自体には賛成だった」と語る。県内各市議会の政活費月額は、さいたま市(20万円)、川口市(18万円)を除くとおおむね10万円以下だが、年20万円の八潮市は低い部類に入る。
 矢沢氏は、地方議員向け研修会に定期的に参加、年4回、議会報告の全戸配布を行っており、「印刷だけで1回約12万円かかる」という。採決では、「領収書のネット公開も同時に行うべきだ」との主張が受け入れられなかったため反対したが、「議員活動に政活費は必要。余ったら返す姿勢を徹底させるべきだ」と語る。
 久喜市の貴志信智市議は、自身のホームページで議員報酬、政活費の額と領収書を公表している。「情報公開して適切に使用していることを分かってもらえれば、不信感は持たれない」との考えからだ。
 貴志氏は、1期目の若手市議で、元会社員。「必要と認めてもらった上で、適正な額をきちんともらう。そうでないと、お金持ちしか議員になれないし、それは有権者にとってマイナスではないか」
(この連載は、中田征志、安藤亨、小林岳人が担当しました)

検証 政務活動費 中(2017年9月23日 読売新聞)

検証
政務活動費 中

ネット公開県議会いつ

 使途明示で意識変化も

 県議会議事堂1階に「情報公開コーナー」の看板がかかる一室がある。県議の政務活動費の収支報告書や領収書のコピーが添付してある用紙を閲覧できる唯一の場所だ。
 閲覧やコピーには、県議会議長宛ての「公文書公開請求書」に住所や氏名などを書く必要がある。資料を閲覧できるのは、昼休みをのぞく平日の午前9時~午後5時に限られ、他は郵送などで申請し、コピーを送ってもらうしかない。コピーには1枚10円かかる。
 定数93人の県議には会派を通じ、月額50万円の政活費が支給される。2016年度分の使途などを記した書類は約3万枚、ファイルにして約50冊分。狭山市民オンブズマン県議会議事堂1階にある「情報公開コーナー」の田中寿美代表幹事(69)は「決められた場所、時間でしか資料を見られないのはおかしい」と語る。同オンブズマンは毎年、県議の政活費の収支報告書と領収書などをスキャナーで取り込んでホームページで独自に公開しているが、今年は情報公開コーナーに5日間通ったという。
 県議会は政活費の収支報告書や領収書のインターネット公開をしていない。全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)が47都道府県、20政令市、48中核市の状況を調べたところ、使途を明示する領収書のネット公開まで行っているのは、6月時点で8府県議会、政令市と中核市を含めると30議会に上った。昨年の9議会から大幅に増えており、来年度は東京都、静岡県など新たに13議会が加わる見込みという。
 同連絡会議の「政務活動費情報公開度ランキング」では、県は全ての資料をネット公開していないことに加え、会計帳簿の提出や活動報告書の作成が義務づけられていないことが低い評価につながり、全国で最下位に位置づけられた。
 県内市町村でも領収書までネット公開をしている議会はある。
 富士見市議会では、14年7月に兵庫県議の政活費不正使用問題が発覚したことを受け、同年8月に公開を決定、毎年市議会のホームページに掲載している。最大会派「21・未来クラブ」代表の関野兼太郎市議は「不正使用のニュースが出るたびに、有権者から疑いの目で見られる。説明責任を果たす意味でも、ネットで公開して市民に確認してもらえばよい」と話す。
 狭山市議会は昨秋、各会派の代表者会議でネット公開を決め、昨年12月から公開を始めた。同市の政活費は、議員1人あたり月額2万円。新良守克市議は「本当に政務活動に必要なのかどうか、ボールペン1本の購入にも気を使うようになった」と説明する。
政活費のネット公開は議員の意識にも変化をもたらしている。

検証 政務活動費 上(2017年9月22日 読売新聞)

検証
政務活動費 上

不適切支出 線引きは

 自民党県議団に所属していた沢田力氏(49)が、偽造領収書を使って政務活動費(政活費)を不正に受給したとして議員辞職した問題は県内に波紋を広げた。さいたま地裁でも先月、県議らの政活費の一部を違法とする判決が出されたが、県議会では、改革に向けた議論は依然として低調だ。政活費の現状と課題を探った。


「上限50%」判決に県議反発

 「社会通念に照らし、使途基準に合致しない違法な支出というべきである」
 8月30日、さいたま地裁で言い渡された判決。森冨義明裁判長は、2011~13年度の政務調査費、政活費について、民進党・無所属の会と刷新の会(解散)に所属していた県議の支出の一部を違法と認定し、約900万円の返還を求めるよう上田知事に命じた。
 判決で指摘されたのは、政務活動とその他の活動の区別が判然としない支出についての問題だった。
 対象となった2会派7人の県議らは、メガホンやスピーカーの購入費、職員の人件費などの8~9割程度を政活費で賄うなどしていた。ただ、メガホンなどは政務活動以外で使用可能なうえ、職員は政務活動だけをしていた時間が特定できないなどとされた。
 また、政活費で8割の費用を支払っている事務所に、「航空祭無料バスが基地内を運行!お帰りにご利用下さい」などの表示があった点を指摘。
「政務活動とその他の活動が混在し、一部は政務活動の必要性にかけるものであったことをうかがわせる」とした。
 事務所などについての指摘を受けた中川浩県議は「地元を訪れる人のため、地域振興の一環のつもりで表示した。線引きは難しく、単に政務活動以外はだめというのでは、議員の意見の多様性も反映されない」と反論する。
 判決では、政務活動とその他の活動の割合が判然としない支出の多くについて、「2分の1」を超えた部分を適法と指摘した。
 県議会側は、この判断に反発した。民進党・無所属の会の浅野目義英代表は記者会見で、「特段の理由なくざっくりと50%とした」などと批判。刷新の会の元代表で、自身も判決で指摘を受けた鈴木正人県議も取材に対し「政務活動の萎縮を招き、納得できない」などと反論した。共産党を除く全会派が判決を不服として控訴を求め、知事は13日に東京高裁に控訴した。
 政務活動とそれ以外の活動を明確に切り分けるのは困難との指摘も多い。県議会事務局によると、政活費で支出できる割合は各会派が自主的に定めている。
 東京都議会では、政務活動とその他の議員活動が混在する場合、政活費での支出の上限を2分の1と定めているが、そこに私的な活動が混在する場合、さらに4分の1まで下がる。都議会事務局は「政務活動は数量で計れない部分があるため、上限を設けている」と説明する。
 全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)は、さいたま地裁の「2分の1」判断について、「私的活動などが混在する場合に言及しておらず、緩い基準の判決だ」と指摘している。

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