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検証 政務活動費 下(2017年9月24日 読売新聞)

検証
政務活動費 下

情報公開で不信感払拭

 有権者の理解肝心

 県内で支給されている政務活動費は、県議会の月額50万円から、一部町村議会の「ゼロ」まで様々だ。
 「政活費自体、廃止してしまえばいい」
 自民党県議団に所属していた沢田力氏の政活費不正受給問題を発端とした8月の県議補選で、候補者の一人はこう訴えた。ただ、こうした主張に対し、反対の声を上げる議員もいる。
 横瀬町議会は、政活費を支給していない。新井鼓次郎町議は、不動産賃貸業を営みながら議員活動をしているが、「議員報酬からは保険や年金が引かれ、活動にかかる費用もそこから出す。専業ではとても議員はできない」と話す。
 山間部にある同町では、地域イベントに顔を出す際の移動手段は全て車。議員としての勉強も、「本は図書館で借りて読み、情報収集はインターネットが中心」といい、「政活費はほしい。別に不正がしたいから言うわけではない」と嘆息する。
 全国市議会議長会の実態調査によると、2015年12月末時点で、全国で政務活動費を支給していない市は12・1%。人口20万人以上の自治体は、全てが政活費を支給していた。また、県町村議会議長会によると、県内23町村でも政活費を支給していないのは昨年7月時点で10町1村となっている。
 政活費を引き上げた議会もある。八潮市議会は昨年3月定例会で、1人あたりの年額を10万円から20万円に増やす条例案を賛成多数で可決した。つくばエクスプレス開通などで市内人口が増加しており、多様化する市民の要望に応えるため議員の資質向上を図る─というのが理由だ。
 採決で反対に回った矢沢江美子市議は、「引き上げ自体には賛成だった」と語る。県内各市議会の政活費月額は、さいたま市(20万円)、川口市(18万円)を除くとおおむね10万円以下だが、年20万円の八潮市は低い部類に入る。
 矢沢氏は、地方議員向け研修会に定期的に参加、年4回、議会報告の全戸配布を行っており、「印刷だけで1回約12万円かかる」という。採決では、「領収書のネット公開も同時に行うべきだ」との主張が受け入れられなかったため反対したが、「議員活動に政活費は必要。余ったら返す姿勢を徹底させるべきだ」と語る。
 久喜市の貴志信智市議は、自身のホームページで議員報酬、政活費の額と領収書を公表している。「情報公開して適切に使用していることを分かってもらえれば、不信感は持たれない」との考えからだ。
 貴志氏は、1期目の若手市議で、元会社員。「必要と認めてもらった上で、適正な額をきちんともらう。そうでないと、お金持ちしか議員になれないし、それは有権者にとってマイナスではないか」
(この連載は、中田征志、安藤亨、小林岳人が担当しました)
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検証 政務活動費 中(2017年9月23日 読売新聞)

検証
政務活動費 中

ネット公開県議会いつ

 使途明示で意識変化も

 県議会議事堂1階に「情報公開コーナー」の看板がかかる一室がある。県議の政務活動費の収支報告書や領収書のコピーが添付してある用紙を閲覧できる唯一の場所だ。
 閲覧やコピーには、県議会議長宛ての「公文書公開請求書」に住所や氏名などを書く必要がある。資料を閲覧できるのは、昼休みをのぞく平日の午前9時~午後5時に限られ、他は郵送などで申請し、コピーを送ってもらうしかない。コピーには1枚10円かかる。
 定数93人の県議には会派を通じ、月額50万円の政活費が支給される。2016年度分の使途などを記した書類は約3万枚、ファイルにして約50冊分。狭山市民オンブズマン県議会議事堂1階にある「情報公開コーナー」の田中寿美代表幹事(69)は「決められた場所、時間でしか資料を見られないのはおかしい」と語る。同オンブズマンは毎年、県議の政活費の収支報告書と領収書などをスキャナーで取り込んでホームページで独自に公開しているが、今年は情報公開コーナーに5日間通ったという。
 県議会は政活費の収支報告書や領収書のインターネット公開をしていない。全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)が47都道府県、20政令市、48中核市の状況を調べたところ、使途を明示する領収書のネット公開まで行っているのは、6月時点で8府県議会、政令市と中核市を含めると30議会に上った。昨年の9議会から大幅に増えており、来年度は東京都、静岡県など新たに13議会が加わる見込みという。
 同連絡会議の「政務活動費情報公開度ランキング」では、県は全ての資料をネット公開していないことに加え、会計帳簿の提出や活動報告書の作成が義務づけられていないことが低い評価につながり、全国で最下位に位置づけられた。
 県内市町村でも領収書までネット公開をしている議会はある。
 富士見市議会では、14年7月に兵庫県議の政活費不正使用問題が発覚したことを受け、同年8月に公開を決定、毎年市議会のホームページに掲載している。最大会派「21・未来クラブ」代表の関野兼太郎市議は「不正使用のニュースが出るたびに、有権者から疑いの目で見られる。説明責任を果たす意味でも、ネットで公開して市民に確認してもらえばよい」と話す。
 狭山市議会は昨秋、各会派の代表者会議でネット公開を決め、昨年12月から公開を始めた。同市の政活費は、議員1人あたり月額2万円。新良守克市議は「本当に政務活動に必要なのかどうか、ボールペン1本の購入にも気を使うようになった」と説明する。
政活費のネット公開は議員の意識にも変化をもたらしている。

検証 政務活動費 上(2017年9月22日 読売新聞)

検証
政務活動費 上

不適切支出 線引きは

 自民党県議団に所属していた沢田力氏(49)が、偽造領収書を使って政務活動費(政活費)を不正に受給したとして議員辞職した問題は県内に波紋を広げた。さいたま地裁でも先月、県議らの政活費の一部を違法とする判決が出されたが、県議会では、改革に向けた議論は依然として低調だ。政活費の現状と課題を探った。


「上限50%」判決に県議反発

 「社会通念に照らし、使途基準に合致しない違法な支出というべきである」
 8月30日、さいたま地裁で言い渡された判決。森冨義明裁判長は、2011~13年度の政務調査費、政活費について、民進党・無所属の会と刷新の会(解散)に所属していた県議の支出の一部を違法と認定し、約900万円の返還を求めるよう上田知事に命じた。
 判決で指摘されたのは、政務活動とその他の活動の区別が判然としない支出についての問題だった。
 対象となった2会派7人の県議らは、メガホンやスピーカーの購入費、職員の人件費などの8~9割程度を政活費で賄うなどしていた。ただ、メガホンなどは政務活動以外で使用可能なうえ、職員は政務活動だけをしていた時間が特定できないなどとされた。
 また、政活費で8割の費用を支払っている事務所に、「航空祭無料バスが基地内を運行!お帰りにご利用下さい」などの表示があった点を指摘。
「政務活動とその他の活動が混在し、一部は政務活動の必要性にかけるものであったことをうかがわせる」とした。
 事務所などについての指摘を受けた中川浩県議は「地元を訪れる人のため、地域振興の一環のつもりで表示した。線引きは難しく、単に政務活動以外はだめというのでは、議員の意見の多様性も反映されない」と反論する。
 判決では、政務活動とその他の活動の割合が判然としない支出の多くについて、「2分の1」を超えた部分を適法と指摘した。
 県議会側は、この判断に反発した。民進党・無所属の会の浅野目義英代表は記者会見で、「特段の理由なくざっくりと50%とした」などと批判。刷新の会の元代表で、自身も判決で指摘を受けた鈴木正人県議も取材に対し「政務活動の萎縮を招き、納得できない」などと反論した。共産党を除く全会派が判決を不服として控訴を求め、知事は13日に東京高裁に控訴した。
 政務活動とそれ以外の活動を明確に切り分けるのは困難との指摘も多い。県議会事務局によると、政活費で支出できる割合は各会派が自主的に定めている。
 東京都議会では、政務活動とその他の議員活動が混在する場合、政活費での支出の上限を2分の1と定めているが、そこに私的な活動が混在する場合、さらに4分の1まで下がる。都議会事務局は「政務活動は数量で計れない部分があるため、上限を設けている」と説明する。
 全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)は、さいたま地裁の「2分の1」判断について、「私的活動などが混在する場合に言及しておらず、緩い基準の判決だ」と指摘している。

さいたま市会 自民2会派対立激化(2017年9月20日 読売新聞)

さいたま市会
自民2会派対立激化
市議団と真政 主導権争い 定例会波乱

 開会中のさいたま市議会9月定例会で、自民党会派同士の主導権争いが激化している。3月に自民党市議団から分裂した自民党真政が民進改革などと手を組んで議長ポストを奪取したことで、対立が先鋭化。間隙を縫って最大会派にのし上がった民進改革、自民党市議団との関係が悪化していた清水勇人市長の思惑も絡み、開会早々から波乱含みだ。

 対立の構図複雑化
 開会日の6日。本会議前の議会運営委員会で、自民党2会派はのっけから火花を散らせた。
 「議長の調整案は残念だと言わざるを得ない」
 本会議での無所属議員の発言時間を巡り、各会派の意見がそろわず、真政から7月に就任したばかりの新藤信夫議長の調整案に、市議団側が猛反発したのだ。本会議開会は約4時間半遅れたが、結論は出ずに持ち越しとなった。市議団側は「議会に遅れが出るのは議長の責任だ」と突き放した。
 真政は3月、市議団から分裂して誕生した。清水市長の市政運営への評価などを巡る意見対立が原因とされるが、背景にあるのは「浦和・大宮」の地域間対立との見方がもっぱらだ。市議団は旧浦和市選出の市議が大半を占め、真政は旧大宮市選出が多い。
 2大都市の両地域の市議は、長く市議団内で対立してきた。「県内政治の中心は浦和。大宮の意見は通りづらかった」 (自民党関係者)といい、〝大宮派〟は不満をため込んできた。
 会派分裂後、真政は民進改革と協力し、6月定例会で議長ポストを奪取した。真政幹部は「意見を通せる形を作るために会派を割った」と語り、主流派に踊り出た手応えに自信を深める。
 一方、分裂で最大会派から転落した市議団の恨みは深い。「民進と組むとはポリシーがない。しょせん市議団で実権を握れなかった人たちの寄せ集めだ」 (若手)といらだちを募らせる。
 そんな中、自民党の分裂で最大会派となった民進改革は、この機に議会内での発言力拡大を狙っている。
「いざこざに巻き込まれたくない」と自民党の「内紛」からは距離を置くが、真政と組めば議会で主導権を握ることが可能。「我々の求める政策を実現しやすくなるはず」(ベテラン)との胸算用が働く。
 一方、清水市長は長らく自民党市議団とは対立関係が続いてきたが、選挙で応援を受けた民進党とは蜜月。5月の市長選では、真政の市議も旧大宮市周辺を地盤とする清水市長を支援した。市長周辺は「議会対応がやりやすくなる」と計算する。
 9月定例会の会期は10月20日まで。自民党会派同士の対立を中心とした市議会内の駆け引きは今後も続きそうだ。

「政活費」情報公開度ランク 県議会、全国ワースト 全国市民オンブズ調査(2017年9月2日 東京新聞)

「政活費」情報公開度ランク 県議会、全国ワースト 全国市民オンブズ調査
 全国市民オンブズマン連絡会議が一日に発表した「政務活動費情報公開度ランキング」で、県議会は全国四十七都道府県の中で最下位となった。政活費を巡っては、七月に不正受給が発覚した自民党県議が辞職したばかり。不正を防ぐための透明化が全国的にみて大きく遅れていることが明らかになり、領収書のネット公開などを求める声が高まりそうだ。 (井上峻輔)

 ランキングは今回初めて作成された。六月に全都道府県議会を調査。領収書や会計帳簿などの公開の有無や、それぞれのネット公開の有無、支払先の個人名の公開の有無、閲覧時の情報公開請求の要不要-など十二項目に点数がつけられ、百点満点で集計された。

 その結果、埼玉県は十一点で最下位。ネット公開が一切されていないことや、会計帳簿の提出や活動報告書の作成が義務付けられていないことで、各項目にゼロが並んだ。閲覧に情報公開請求が必要なのは埼玉と神奈川の二県だけであることも、順位を下げる一因になった。

 講評の中で「議会内の議論は『どこまで情報を公開してなくても良いのか』という後ろ向きの視点でされ、『公開しなくても良い部分』や『制度の裏』で不正が繰り返される。最下位の埼玉県議会で政活費の不正が取り沙汰されていることからも裏付けられよう」と名指しで批判された。

 上位には「号泣県議」で話題になった兵庫県や、不正受給が相次いだ富山県など、政活費を巡る不祥事を機に透明化が進んだ議会が並ぶ。議員の不正が発覚した埼玉県議会内でも、政活費のあり方を問い直す声が高まっていて、これらの県のように情報公開が進む可能性もある。

 同様の採点方式で行われた政令市と中核市のランキングも同時に発表され、県内の市議会も他県の議会より透明度が低いことが分かった。さいたま市が二十政令市中の十四位。中核市は川越市が四十八市中で四十二位、越谷市はわずか七点で最下位となった。

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五代目
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