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「政活費」情報公開度ランク 県議会、全国ワースト 全国市民オンブズ調査(2017年9月2日 東京新聞)

「政活費」情報公開度ランク 県議会、全国ワースト 全国市民オンブズ調査
 全国市民オンブズマン連絡会議が一日に発表した「政務活動費情報公開度ランキング」で、県議会は全国四十七都道府県の中で最下位となった。政活費を巡っては、七月に不正受給が発覚した自民党県議が辞職したばかり。不正を防ぐための透明化が全国的にみて大きく遅れていることが明らかになり、領収書のネット公開などを求める声が高まりそうだ。 (井上峻輔)

 ランキングは今回初めて作成された。六月に全都道府県議会を調査。領収書や会計帳簿などの公開の有無や、それぞれのネット公開の有無、支払先の個人名の公開の有無、閲覧時の情報公開請求の要不要-など十二項目に点数がつけられ、百点満点で集計された。

 その結果、埼玉県は十一点で最下位。ネット公開が一切されていないことや、会計帳簿の提出や活動報告書の作成が義務付けられていないことで、各項目にゼロが並んだ。閲覧に情報公開請求が必要なのは埼玉と神奈川の二県だけであることも、順位を下げる一因になった。

 講評の中で「議会内の議論は『どこまで情報を公開してなくても良いのか』という後ろ向きの視点でされ、『公開しなくても良い部分』や『制度の裏』で不正が繰り返される。最下位の埼玉県議会で政活費の不正が取り沙汰されていることからも裏付けられよう」と名指しで批判された。

 上位には「号泣県議」で話題になった兵庫県や、不正受給が相次いだ富山県など、政活費を巡る不祥事を機に透明化が進んだ議会が並ぶ。議員の不正が発覚した埼玉県議会内でも、政活費のあり方を問い直す声が高まっていて、これらの県のように情報公開が進む可能性もある。

 同様の採点方式で行われた政令市と中核市のランキングも同時に発表され、県内の市議会も他県の議会より透明度が低いことが分かった。さいたま市が二十政令市中の十四位。中核市は川越市が四十八市中で四十二位、越谷市はわずか七点で最下位となった。
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<128万人県都のいま>(下)変わる大宮駅前 「中枢都市」築けるか (2017年5月7日 東京新聞)


<128万人県都のいま>(下)変わる大宮駅前 「中枢都市」築けるか

 県内最大のターミナルである大宮駅が、大きな転機を迎えようとしている。

 「これからどんどん発展していくはず。本当に楽しみ」。大宮駅東口協議会の久世晴雅会長(76)は、最近の変化の兆しがうれしくてたまらない。

 JR、東武、埼玉新都市交通の在来三線と東北・上越などの新幹線が乗り入れる全国有数の駅は、二〇一五年の北陸新幹線、一六年の北海道新幹線開業で、交通の要所としての存在感がさらに増した。

 国の「お墨付き」も後押しする。昨年三月、首都圏広域地方計画の中で大宮駅は「東日本の対流拠点」に位置付けられた。歩調を合わせて市も「東日本の中枢都市」を目指した動きを加速する。

 だが、外部の目はそこまで楽観的ではない。JTB総合研究所の太田正隆主席研究員は「『東日本の中枢都市』とうたっても、鉄道の結節点というだけでは東京に素通りされてしまうし、他都市の人も価値を認めてくれないだろう」と手厳しい。久世さんも「駅から出てきてもらえるまちをつくらないと」と語る。

     ◇

 鍵を握るのは東口だ。大型施設が立ち並ぶ西口に比べて開発が遅れ、細い路地や古い小規模商店が残る。近年は歩行者交通量の減少やオフィス床の不足、商業規模の小ささなどが指摘されてきた。

 既に具体的な動きは始まっている。東口から歩いて二分ほどの一・四ヘクタールの土地では、地上十八階建てビルの建設準備が進む。商業施設やオフィスに加え、市民会館も移転入居する予定。来年着工し、二一年六月の竣工(しゅんこう)を目指す。市が移転費用を含めて四百億円を投じる一大プロジェクトだ。

 さらに、市は昨夏に「大宮グランドセントラルステーション構想会議」を発足。市と有識者、鉄道事業者、地元のまちづくり団体などが参加し、今後のまちの整備方針などの協議を進めている。

 もちろん大規模な再開発は容易ではない。推進会議会長の岸井隆幸・日大教授は「鉄道事業者も含めた関係者が一つのテーブルにつけたことは大きい」と意義を強調しつつ、「それぞれの希望を調整して合意形成していくのは大変な作業」とも語る。

 メンバーの一人で大宮銀座商店街協同組合の栗原俊明理事長(42)は「良い意味で整然としていないのが東口の魅力。西口と同じような街並みや、隣の新都心と競合するようなやり方ではいけない」と希望する。地元商店の中には「再開発について自分たちには何の説明もない」と憤りを見せる人もいる。それぞれの納得するまちづくりは簡単ではない。

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 西口では市営駐車場に大型会議場を備えたホテルの誘致が計画されているが、市が昨年、複数の業者から聞き取りをしたところ、「市の財政支援があっても事業の成立は見込めない」などの厳しい意見が相次いだ。予定していた昨年度中の契約相手の決定は断念。二〇年の東京五輪までの開業も苦しくなっている。

 東日本の自治体や企業の交流の場となる拠点整備も予定されているが、各自治体の思惑が異なる中で、東京に近いさいたまの地で存在意義を生み出せるかは未知数だ。

 太田主席研究員は「さいたま市は特徴が見えにくい。ここで電車を降りたり、ここで会議を開いたりする『理由』をつくっていかないと東京に埋没してしまう」と指摘する。(井上峻輔)

<128万人県都のいま>(中)微妙な地域バランス 終わらぬ「綱引き」(2017年5月6日 東京新聞)

<128万人県都のいま>(中)微妙な地域バランス 終わらぬ「綱引き」

 東武野田線岩槻駅の東口を出ると、大きな文字が目に入る。「東部地域を元気にしよう 岩槻駅へ地下鉄をつなごう」

 垂れ幕は「地下鉄七号線延伸」を訴えるもの。現在は東京メトロ南北線から埼玉高速鉄道・浦和美園駅まで乗り入れる路線を、岩槻駅までつなぐことは、地元にとって合併前から長年の悲願だ。

 だが、今も垂れ幕はただのかけ声のままだ。「合併すれば地下鉄が来るんじゃないかという期待があった。まさか十二年たっても進まないとは」。岩槻区自治会連合会長の田中岑夫さん(71)は残念そうに語る。

 旧岩槻市は二〇〇五年にさいたま市と合併し、市内十番目の行政区となった。人口十万人ほどの小さな市が合併を選んだのは、政令市の財政力に地域の発展を期待したからだった。

 確かに、東西自由通路の完成など駅前は再整備され、「岩槻人形博物館」の整備も始まる。ただ、住民が合併時に思い描いたほどの変化の実感はなく、「開発は浦和や大宮ばかり」という声は根強い。

 一五年国勢調査で、市内十区で人口が減ったのは岩槻区だけ。高齢化率も最も高い。下水道などのインフラ整備も遅れている。昨年の市民意識調査で「住みやすいと思う人」の割合は浦和区や中央区では90%を越えたが、岩槻区は69%で一番低かった。

 発展の遅さが延伸にも影響している。昨年四月の国の交通審議会答申では、延伸は「意義のあるプロジェクト」とされたものの、「需要の創出につながる沿線開発や交流人口の増加が課題」とあらためて指摘された。

 清水市長も当初は一二年度末までの事業着手を掲げていたが、同年十月に「おおむね五年後の着手を目指す」と訂正。その五年後の今年二月、市議会で市長は「課題である事業性の確保に取り組む、一日も早い事業着手を目指す」と答えるにとどまった。時期の変更こそ明言しなかったものの、先行きの不透明さが強まった。

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 市役所の本庁舎はどこにあるべきか-。市誕生時からの「宿題」も、いまだに議論が続いている。

 「期限もなくただ審議していて議論の先が見えない」。昨年十月に開かれた「本庁舎整備審議会」の議事録からは、自治会代表らのいら立ちが見てとれる。

 本庁舎の位置は、合併時の協定書で「当分の間」は旧浦和市役所とし、将来は「さいたま新都心周辺地域が望ましいとの意見を踏まえ(中略)検討する」とされた。合併協議では新市名などをめぐって旧浦和市と旧大宮市の激しい綱引きがあり、協定書のあいまいな記述には当時の両市の苦悩がにじむ。

 審議会は発足から四年が過ぎた今年一月になって、ようやく「位置」の議論に入った。新都心周辺を推す声が目立つ一方で、「果たしてそこに土地はあるのか」という声もある。

 ただ、市長への答申時期が決まっていないことに加え、現庁舎の耐震工事も始まったことで結論を急ぐ理由がなくなった。委員からは「今の話し合いが将来的に生かされるのか」という不安も漏れる。

 今でも市議会では、旧浦和市を地盤とする議員が「大宮に使う予算が多すぎるのでは」と訴えるなど、綱引きが続いている。合併による数合わせの政令市化という十六年前の出発点からすでに、この「宿題」の答えが簡単には出ないことは、決まっていたのかもしれない。 (井上峻輔)
◆あす告示 現新三つどもえか

 さいたま市長選は七日、告示される。三選を目指す現職の清水勇人さん(55)、元自民党衆院議員の中森福代さん(67)、さいたま地区労議長の前島英男さん(64)=共産推薦=の三人が、いずれも無所属での立候補を予定している。現職が「市民党」を掲げ、自民党が事実上の自主投票となったことで、政党色の薄い選挙になりそうだ。

 清水さんは「健全財政を維持しながら市の成長力や幸福度を上げた」と実績を強調。「東日本の中枢都市」を目指し、「人口減少が始まる前に成長のための施策を進める」としている。

 中森さんは「大型イベントなど無駄遣いが多い」と現職を批判し、家庭負担ゼロの教育と死亡者ゼロの防災を実現すると訴える。元自民党員だが、特定の政党の支援は受けない。

 前島さんは「税金の使い方を市民第一に変える」と訴える。三十七年間の教員経験から、子育てや教育を重視。保育園の増設や少人数学級、給食費の無料化の実現などを目指す。

 過去二回の選挙で清水さんと争い、議会でも対立してきた自民は今回、独自候補者擁立に失敗。党としては誰にも推薦も出さず、市長選自体と距離を置く。

 さらに、三月に自民市議団内の対立から分裂した新会派「自民真政」の議員の多くは「自民から出せない以上は現実的に考える」と清水さんを支援している。

 前回選挙では敵対した公明も、四年間で清水さんとの距離を縮めた。市長選での態度こそ未定だが、市議団幹部は「政策は同じ方向を向いている」と語る。

 清水さんを支援してきた民進は、前回選挙同様に表には出ないが、先月にあった会派の市政報告会では清水さんの応援を宣言。同党支持母体の連合は、清水さんに推薦を出している。

 投開票は二十一日。三月二日時点の選挙人名簿登録者数は百五万六千四百八十六人。 

  (井上峻輔)

<128万人県都のいま>(上)イベントでまちPR 市民目線とズレも (2017年5月5日 東京新聞)


<128万人県都のいま>(上)イベントでまちPR 市民目線とズレも

 「ゼロベースで見直したい」「もっと税金の使い方を考えないと」

 先月二十四日に開かれた立候補予定者討論会で、現市政に新人候補二人から厳しい批判が飛んだ。やり玉に挙がったのは、清水勇人市長の二期目に、次々と開催された「大型イベント」だ。

 昨年は、国際自転車レース「さいたまクリテリウム」(二〇一三年~)、さいたま国際マラソン(一五年~)、国際芸術祭「さいたまトリエンナーレ」(一六年~)の三つが初めてそろって開催された。クリテリウムに約十万人の来場者が訪れるなど、それぞれが一定のにぎわいを見せたが、市の負担金は計十二億円以上にも達した。

 市議会でも大型イベントをめぐる議論は何度も紛糾している。昨年十月には、イベント費用を理由に前年度決算が不認定に。昨年十二月には「イベント事業見直しと担当職員の過大な残業改善についての請願」が賛成多数で採択され、二月には議会の追及でクリテリウム関連予算が一度は取り下げを余儀なくされた。

 対する清水市長は、批判には屈しない姿勢をとり続けている。いわく「計八十六億円ほどの経済波及効果があった」「スポーツのまちを広くアピールできた」「都市イメージを国内外に発信していく上で高い効果がある」-。

 すでにクリテリウムと国際マラソンは今年の開催も決定。トリエンナーレは本来の意味の「三年に一度」にはこだわらないものの、継続的に開催する予定だ。

 合併から十六年たってもいまだに一体的な存在感に欠けるさいたま市。市が、そんな「存在感の薄さ」を払拭(ふっしょく)する起爆剤としての役割を、イベントに託そうとしていることは確かだ。

 ただ、スポーツや文化イベントは関係者からも「十年、十五年たたないと本当の効果が分からない」との声が出るほど意義や効果が図りづらい。だから「その予算があれば、ほかのことができるのでは」と不満を持つ人は消えない。

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 たとえば、子育て。市は先月、四月一日時点での「待機児童ゼロ」を実現したと発表したが、これに対して子どもが保育園に入れなかった親たちから「実態と違う」という声が相次いでいる。親が育児休業中だったり特定の保育所だけを希望したりした児童の数字が、「待機児童」として扱われていないからだ。

 岩槻区の中川裕貴さん(32)もその一人。妻(27)と長女(1つ)の三人暮らしだが、希望した保育園への入園は今年もかなわなかった。

 現在、妻は中川さんの帰宅後の夜九時からアルバイトに出掛ける。終わるのは深夜一時。「娘も遅寝遅起きになりがちで申し訳ない」と妻は語る。中川さんの帰りが遅くなるときの対応も悩みの種だ。

 「本当は昼間に働きたいが、来年以降も入園は難しいと思う」と悲観的な二人。中川さんは「さいたま市は、市がアピールするほど子育て環境の良いところではない」と話す。

 現在の市の認可保育所整備計画は、今年四月の「待機児童ゼロ」を目標につくられた。一五、一六年度に定員を千三百人ずつ増やした後はペースを落とし、年間四百人ずつ増やすことになっている。一七年度は計画を大きく上回る「千三百人増」の予算が組まれたが、計画自体は今も変わっていない。

 そんな中で市内の子育て関係四団体は先月、保育園や学童保育施設の大幅増などを求める政策提言を発表した。市学童保育連絡協議会の加藤哲夫さん(61)は「イベントよりも子育て環境を整えることが『選ばれるまち』につながるはずだ」と語る。

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 合併から十六年。四つの市が一つになってできたさいたま市の人口は、百二十八万人を超えた。政令市としての形を模索してきた市は、今後どこへ向かうのか。七日告示の市長選を前に、県都の今に迫った。 (井上峻輔)

新庁舎の外観 絹糸イメージ さいたま市大宮区役所 (2017年5月2日 東京新聞)

新庁舎の外観 絹糸イメージ さいたま市大宮区役所

 さいたま市は、二〇一九年五月からの利用開始を予定する大宮区役所新庁舎の概要を発表した。製糸工場が多数立地していた地域の歴史を踏まえ、絹糸をまとったようなイメージの外観にする。

 新庁舎は、現在の大宮区役所から南に五百メートル離れた旧県大宮合同庁舎の跡地(同区吉敷町一)に建設する。地上六階、地下一階建てで、一、二階に区役所、二、三階に大宮図書館が移転する。四階には市保険センターなどが入居し、五、六階には市の北部建設事務所などが入る。

 「絹糸」は、窓の外側に縦長の白い金属製パネルを設置することで表現。周辺のマンションからの視線に配慮するとともに、直射日光を防ぐ効果もある。

 一九六六年建築の現庁舎は老朽化して耐震性に問題があり、新築が検討されてきた。新庁舎は今年七月に着工し、建築費は約百五億円。現庁舎跡地の利用方法は決まっていないという。 (井上峻輔)

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