国土交通省が18日、県内の公示地価(1月1日時点)を発表した。商業地は2年連続で値上がりしたが、住宅地は消費増税のあおりを受けて取引が落ち込み、横ばいになった。いずれも東京に近い場所は堅調だが、北部や山間部は値下がり傾向が続く。
住宅地の平均価格は1平方メートルあたり12万1200円。前回は調査地点の40%にあたる367カ所が値上がりしたが、今回は276カ所にとどまり、その分、横ばいの地点が増えた。前回の地価上昇を支えていたマンション販売が、消費増税前の「駆け込み購入」の反動が出て、昨年は急減したためだ。
それでも県南部のさいたま市や戸田市では、平均価格が上昇した。その中でもJR大宮駅周辺の上昇が際立つ。今月14日に上野東京ラインや北陸新幹線が開業し、交通の便がさらによくなり、「浦和に比べて割安だと人気が高まっている」(不動産鑑定士)という。
商業地は0・5%上昇。
平均価格は28万6千円になった。やはり大宮駅前の地価上昇が全体を引っ張っている。地元の不動産関係者は「テナントに空きが出ても、すぐ埋まる状況。このところの株高で、投資対象としても魅力が高まっている」と話す。
一方、前回調査で2%前後の伸びを示していた新座市や川越市など東武東上線沿線は、そろって上昇幅が縮んだ。2013年3月に始まった東急東横線などとの相互直通運転の効果が一服したとみられる。
工業地は0・5%上昇。平均価格は7万9500円だった。圏央道沿いに巨大倉庫が相次いで建ち、地価を押し上げた。(米谷陽一)
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〈公示地価〉 土地取引の指標の一つで、国や自治体が土地を買う目安になる。今回は県内61市町の1169地点(住宅地926、商業地204、工業地39)について、1平方メートルあたりの価格を調べた。同様の指標に、相続税などの算定基準となる国税庁の路線価(1月1日時点)や、都道府県の基準地価(7月1日時点)がある。
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