「浦和のうなぎ」は、江戸時代に浦和の川や沼でとれて評判となり、江戸の紀州藩邸に献上されたことなどで知られる。今でも浦和区内などのウナギ料理店でつくる「浦和のうなぎを育てる会」の19店などが、「裂き」「串打ち」「焼き」「たれ」などの伝統技術を受け継いでおり、市の伝統産業に指定されている。
うなぎまつりは、「浦和のうなぎ」をPRし、観光振興につなげようと毎年開かれており、今年で14回目。昨年は来場者4万5千人(主催者発表)を集め、中でもウナギのつかみ取りは子どもたちに人気のイベント。だが、13年に環境省がニホンウナギを、近い将来に野生での絶滅の危険性が高い「絶滅危惧ⅠB類」に指定すると、「絶滅危惧種をつかみ取りに使うのはいかがなものか」などの意見が出て中止に。国際自然保護連合が絶滅危惧種に指定した昨年は、ドジョウで代用してつかみ取りを行った。
今回は、愛知や静岡などのイベントでもウナギのつかみ取りを実施していることや、「子どもたちが楽しめるイベントをやってほしい」という声が多く、再開に踏み切った。約150匹のニホンウナギを用意し、小学生らを対象に実施。つかみ取りに使ったウナギは、調理して販売する。
浦和うなぎまつり実行委会長で、同区でウナギ料理店「中村屋」を経営する大森好晴さん(73)は「地元の名物であるウナギを理解するためにも、実際に触れて興味を持ってもらいたい」と期待する。
同まつりは23日午前10時から、さいたま市役所東側広場と南側駐車場で開かれる。調理の実演や弁当の販売、ロックシンガーのダイアモンド☆ユカイさんのトークとライブもある。詳しくは実行委のホームページ(http://www.urawa-unagi.com/)。(平井茂雄)
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