「育休退園の撤回を」 所沢で集会、母親ら300人参加 育児休業取得保護者の0~2歳の保育園児を退園させる所沢市の新制度について考える集会(主催・市安心して子育てできる街にしたい会)が24日、同市元町で開かれた。
参加者からは「育休退園」を撤回するとともに、在園を継続するかどうかを保護者が選択できる従来通りの仕組みに戻すよう望む声が相次いだ。
所沢市は子ども・子育て支援法を受け、新制度の運用を4月からスタートさせた。
市は導入の理由について「育児休業中は家庭での子育てが可能なので、原則として保育の必要性に該当しない。就労などで保育が必要な待機児童を持つ人に利用してもらうのが本来しかるべきと考える」としている。
市は新制度について、待機児童の推移などを見ながら2016年度以降、継続の可否を検討するという。
集会には母親ら約300人が参加。保育士は「1、2歳児クラスも1年間同じ仲間と生活を共にすることで互いに学び合い、育ち合っている。年度途中で何人も仲間が入れ替わってしまっては集団の育ち合いが保障できない」と指摘。
4月に出産したという母親は「育休取得する場合、上に2歳の息子がいるので6月末には退園しなければならなくなる」として新制度の撤回を希望した。
同会の準備会は市への要望書を提出したり藤本正人市長に直接アピールしたりしてきたが、制度の撤回はなかったという。
同会の石上将史会長(37)は「所沢がテストケースで、ここで泣き寝入りすると全国の自治体に波及する。ここで食い止めれば全国の自治体での改悪を阻止できる」と述べた。
この日は原和良、北永久両弁護士も出席。
「育休は単なる休暇でなく休業後の準備期間であり、就労の一形態。運用改悪は保護者、母親の育児休業権の侵害」とし、6月初めには暫定的に「育休退園」の仮差し止めの訴訟を起こす構えを見せ、全国的な弁護団組織の呼び掛けを行うことを明らかにした